大きなカブを育てたい

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【人生】報道特集「失語症」特集を見て自分の人生を考える

2020年5月9日、TBSの「報道特集」にて失語症に関する特集が放送された。

もともとこの曜日のこの時間にテレビを見る事がほとんどないため、報道特集自体初めて見たかもしれない。

チャンネルを回してたまたま見つけたので終盤しか見る事ができなかったが、それでもたくさんの事を考えさせられた。

 

失語症とは

まず、失語症への認識の相違。番組のキャスター?ですら「精神的ショックにより言葉が話せなくなってしまう病気」だと思っていたそうだが、私もその手の病気だと思っていた。病名が簡素な分、構成している文字だけでその病気のイメージをしてしまう。自閉症に対する誤認識に似た物を感じた。

失語症とは高次脳機能障害の一種であり、主に脳血管障害(脳出血脳梗塞など)によって脳の言語中枢の損傷が発生し、言語機能(聞く、話す、読む、書く)に障害がある状態である。前述の精神的な原因によるものは失声症にあたる。

 

脳のダメージを受けた部位や程度によって出る症状が全く違う。リハビリを行って改善することはあっても、完治して発症以前の自分に戻る事は難しい。言語機能に問題があるだけで、人格や判断能力は発症前と変わらないという。

今までできた事ができない、でもその悔しさやもどかしさを表現することもできない。当事者の気持ちを考えると胸が締め付けられた。

それでも、番組で紹介された方たちは一生懸命リハビリを積み、自分にできる事を着実に、一歩ずつ歩みを進めていた。脳血管障害は誰にでも起こりうる病気だ。自分や家族に同じような事が起こった時に、果たして強くあれるだろうか。

今の自分にできる事は、少しでも健康に気を付けて生活をする事と、様々な病気に対する知識とどのような治療法、サポートが存在するのか正しい知識を持っておくことだ。(頭でっかちになるのも良くないが)

(参考:失語症 - Wikipedia失声症 - Wikipedia

 

雇用問題

思っている事が話せない、人の話している事が理解できない、言語機能以外に身体にも後遺症が残っている場合もある、となると、現実的に出来る仕事は限られてしまう。こちら(失語症の就労 欠かせない職場の配慮:医療:中日新聞(CHUNICHI Web))によると発症後に元の職場に戻れたのは僅か12%で、その後も仕事を続けることができたのはその中の6割だという。

番組の後半に出演されていた池田さんは東京海上に勤められている方で、最初は会社も慣れていけば仕事ができるようになるだろうと失語症に対する理解が浅かったが、徐々に認識を変え、本人に出来る仕事を模索するようになった。その過程で書類をスキャンしてpdf化するだけの仕事を任された池田さんはとても悔しそうだった。以前の自分とのギャップを認識できる事がとても残酷だと思った。その後、会社のバックアップの下会社の支店や医療機関などで講演会をする活動をされるようになった。長時間発声する事が難しい。つっかえたり言い間違えたりすることもある。それでも、諦めないで頑張る。その姿勢に胸を打たれた。もし機会があるならば池田さんの講演を聞いてみたいと思った。

 

(番組自体を途中からしか見ていないし、医学的知識も乏しいのでこれくらいしか番組の感想は書けない。以下はゲンキンな話である。)

 

ご本人の頑張りは勿論だが、ここまでできるのは勤めている会社のバックアップがあってこそだ。

こんな事を書きたくはないが、もし失語症になった人が同じような活動をしたいので雇ってください、と言って同社を訪ねたところで、雇ってもらえる可能性は残念ながらほぼゼロだろう。中小企業では人を1人雇い続けるのにも体力がいる。大企業に勤めている、ということはこのような事があった時に強み(という言い方が適切か分からないが)になる。従業員の身に何かがあって以前と同じパフォーマンスで働けなくても雇い続ける事ができる企業としての体力も、その人にあった仕事をつくることができるのも、大企業だからこそできる、という部分が大きい。

 

以下、自分語りです。

たまたま山月記を読んでいた

たまたまこの番組を見る前に山月記を読んでいた。読んでいたと言っても、prime readingで無料で読める要約されたマンガ版だ。あまりに読書をしないので超有名作品でも内容をちゃんと知らない作品がたくさんあるが、とっつき難さもあるので漫画は有難い。しかもprime会員は無料だ。この本のレビューは別途行う予定。(追記:読んだのでレビューした【読書】有名すぎる文学作品をだいたい10ページの漫画で読む。 - 大きなカブを育てたい

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山月記の中で私に刺さったのは「そこ!?」と言われそうだが、主人公である李徴が 俗悪な大官に屈するより詩人として名を残したいと思って仕事を辞めたが、上手く行かずにまた役人に戻ってきたところである。

私は名を残したい願望は無いが、俗悪な大官という名のパワハラモラハラ上等の歴代上司たちと、それを良しとしている会社に対して辟易しており、常に退職するタイミングを見計らいながら日々の仕事をしている。勿論勤めている以上、やるべき仕事はきっちりこなしているがモチベーションもへったくれもない。

自分の状況的に会社を辞める事はできる。しかし、最後の一歩を踏み出せないのは今勤めている会社を辞めてしまうと自分の生涯年収が大幅に下がることがほぼ確実だからだ。長年働いてきたが、何か特殊なスキルが身に付く仕事ではない。年齢も相俟って今より良い条件で雇われることはかなり難しいだろう。それを思うと、今の身分を捨てるのが惜しくなる。辞めて次にしたことで失敗して、李徴のように元の職に戻ることはできないが、より劣悪な環境へ転げ落ちてしまったとしたら…。しかし、これはよくある事である。そう思うと、私の退職への熱が1℃下がった。

勿論さっさと辞めるべき会社もある。が、自分が勤めている会社はそこまで酷くはない。待遇面だけで考えれば十分ホワイト企業である。ただ自分に合わないだけだ。その比較衡量がまた悩ましい。

 

そこにきての報道特集である。勤めているのは大企業ではないが、自分の身体に何かが起こった時に急に放り出す会社ではない、はずだ。

 

会社員として働く事で得ている物、失う物を改めて考えさせられた。辞めて良い結果になるか、悪い結果になるかは人によって違う。しかし、私はもう少しよく考えた方が良いようだ。

 

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