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【ネタバレ】るろうに剣心 北海道編 あらすじ⑤まさかのアイツの再登場

5巻が発売されてから1年程経ってしまったがネタバレレビューをしていく。

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楽天:るろうに剣心─明治剣客浪漫譚・北海道編─ 5 (ジャンプコミックス) [ 和月 伸宏 ]

 

5巻あらすじ

その男

小樽で働いて金を稼ごうとするアの三馬鹿の前に雅桐刀の売人が現れる。そこで阿爛は儲け話を持ち掛けることで雅桐と繋がりを持とうとする。

雅桐のいるアジトに招かれ、手荒い歓迎を受けるも一蹴する三馬鹿。はたして阿爛の提案する儲け話とは、雅桐刀がもはや小樽中に行き渡り売れなくなってしまった今、次に売るべくは剣術である、という提案であった。

刀を持っていても振り方が分からなければ大した役には立たない。

その提案を大きな壺の中に隠れて聞いていた雅桐は絶賛する。雅桐は用心深く、初見の相手の前には姿を表さない。壺から手だけを出した状態の雅桐が指摘した阿爛の提案の欠点は、剣術を教える程の達人が小樽にはいないことであった。

しかし三馬鹿は超絶凄腕の剣客を紹介料前払いで紹介するとし、面会の約束を取り付けた。超絶凄腕の剣客とはもちろん剣心のことだ。

 

雅桐のアジトへ剣心と左之助を連れて行く三馬鹿。道すがら雅桐という名の字面ができすぎていて偽名臭いと疑う剣心。道案内をしていた雅桐の手下に下の名前を聞くと、倫倶(リング)であるという。

 

雅桐…倫倶…

 

ガトーリング…

 

読者が「ああ…」と思ったところで、早速次のページで武田観柳のお出ましである。

(その前の話の壺から出ている手で察しもつくが)

互いに「何故小樽にいる!?」と驚愕する剣心と観柳。

 

隠し財産を方々にばら撒くことで死刑を回避した観柳も、安慈同様樺戸集治監に収監されていたが、体力が無く、便所掃除と肥作り専任となっていた。2巻で樺戸集治監が破壊された際(【ネタバレ】るろうに剣心 北海道編 あらすじ②)に脱獄し、逃走しようとしたところ脱獄囚に刀を配っていた劍客兵器から便所の糞をかき分けて集めた金で刀を買い取った。「私は商人 金銭を介さないやり取りには応じません」武田観柳なりの美学である。その心意気を買った劍客兵器の協力を得て、観柳は雅桐刀の元締めとなった。劍客兵器としては刀の流通がどのような影響を及ぼすかを検証する目的があった。

 

以上のいきさつを剣心と左之助の前で正座をして語る観柳。もちろんこの二人には刃向かえない。

銃火器や阿片の売買で得た金を失い無一文になった観柳だが、違法は二度としない、これからは脱法の時代だ、と力説して左之助に殴られる。

呆れた左之助に「"雅桐倫倶"なんざフザけた偽名使いやがって」と言われた瞬間、そこまでのギャグのノリとは観柳の表情が打って変わって険しい顔になった。

 

観柳に刀を手配している劍客兵器をアジトで待ち伏せることにした剣心たち。三馬鹿に雑務を頼むと阿爛が報酬を求めた。「労働に対価は当然でしょう?」という阿爛に対し困惑する剣心。観柳のようになりたいわけではないがお金は欲しいと言いきる阿爛を見て、不敵な笑みを浮かべる観柳。波乱の予感しかしない。

 

と、ここまでのやり取りは全て劍客兵器部隊将 宝號 霜門寺瑠璃男(しもんじるりお)の聴術・千里絲脈(細い針金みたいなものを張り巡らせる)により盗聴されていた。

霜門寺は劍客兵器の於野(おの)に観柳の始末を、本多に観柳の代わりに次のブツを小樽にばら撒くように指示する。

雅桐銃

翌日小樽市街に買い出しに出掛けた明日郎と旭は雅桐刀に次ぐ新たな武器、雅桐銃を目にする。

一方アジトで二人きりになった阿爛と観柳。観柳は「この私が師になってあげましょう」と言うが阿爛は断固拒否。しかし、金で買えないモノ(才能、家柄、肌の色、髪の色…)は差別を産む、何一つ持たざる者でも金さえ稼げば人並み以上になれる、金こそがこの世で最も平等で公平、と語る観柳に見た目で差別されて生きてきた阿爛には思うところがあっただろう。

 

場面変わって剣心と左之助。阿爛に言われた事を気にして浮かない顔をする剣心。アの三馬鹿は明治生まれの明治っ子、弥彦とは勝手が違うようだ。

現代でも平成生まれと昭和生まれの仕事に対する感覚のギャップを埋めるのに苦労するが、それは明治時代も変わらないようだ。

そこに駆け寄る明日郎と旭。小樽の街が雅桐銃を求めて大混乱していることを報告する。すかさず観柳を責め立てるが、観柳は銃のことなど全く知らなかった。雅桐の紋は観柳が考案した物だが、雅桐の銘柄は小樽で浸透しており有効なので劍客兵器が奪い取ろうとしていた。

 

劍客兵器の於野がアジトの壁を破って突入してくる。

剣心と左之助は観柳を殴り飛ばして助けるが、於野の悪党なのに何故助ける、という問いに「誰であろうと守る」と答えた剣心に対し観柳がものすごい表情をしていた。(形容できないので単行本を見てください)

雅桐銃をめぐる混乱を収めるべく街へ向かう剣心と明日郎、それを追いかける観柳とさらに阿爛。

 

雅桐銃を仕入れた集英一家の元に飛び込む剣心。劍客兵器が一方的に訪れるだけで正体も居場所も分からず、連絡手段もないという。

困る剣心に「もっと頭を使え」という観柳。「何しに来た」と剣心に問われるが、観柳の作った雅桐の銘柄を奪い取ろうとしている事が許せないという。そして阿爛に頭脳と理論で劍客兵器の居所を推察してみるよう求めた。

 

雅桐刀は量産型のナマクラだったが、銃は簡単に作れないためかき集められた中古品だった。銃の梱包材から劍客兵器の拠点を推測した阿爛。観柳に「さすが私の一番弟子よ!」と言われなにやら良い雰囲気になっている。

 

急いで劍客兵器の拠点に向かうが、街の混乱が酷く、剣心は混乱を収めるために足を止めた。明日郎、阿爛、観柳の3人は劍客兵器の拠点を見つけ出す事ができたが、3人ではできることはないので剣心の到着を待とうとしたところ、観柳が突入すると言い出す。

このままでは観柳が創った雅桐紋も劍客兵器の物となり、違法な事をしていない雅桐倫倶も劍客兵器の一味とされてしまい、合法なことしかしていない「雅桐倫倶」の身の潔白が侵されてしまう。偽名なのだから別の名前を名乗れば、という提案も却下する。

劍客兵器をひっ捕まえて一筆書かせるという観柳は、明日郎と阿爛に報酬を出すことで協力を得た。

突入した先に居たのは記號・本多雨読。戦型 書裏剣(しょりけん)で手に持っている本のページをペンを使って飛ばして攻撃をしてくる。観柳ピンチ!

 

二重の極み破れたり

一方アジトに残った左之助は劍客兵器斧(ふ)號・於野冨鷹と対峙する。戦型は於野(おの)だけに斧を使う破断戦斧(はだんせんぷ)だ。刀の柄の部分に斧が付いている。

「喧嘩上等 死ぬか死なないかは結果次第」と言う左之助に対して「劍客兵器は殺るか殺られるかだ」と言う於野。

劍客兵器はあらゆる猛者を調査しており、なんでも書いてある猛者人別帳に二重の極みの事も仕組みから攻略法まで載っている。(ちなみに観柳の事も猛者人別帳の四乃森蒼紫の項の備考に載っている程で、wikipediaより詳しいかもしれない)

猛者人別帳によると現在判明している二重の極みの攻略法は二重の極みを打ち返すことしかないとされているが、於野は二重の極みを打つ右手の中で二重の極みを打つことができない死角である手の甲を狙って斧を振り下ろした。すかさず強引に拳の向きを変えて於野の斧を破壊する左之助。しかし斧の中に仕込まれた槍で左之助の右手が切り裂かれてしまった。於野なのか斧なのかよく分からなくなってきた。

しかし於野の斧も無くなったのですかさず二重の極みを打ち込もうとするが、その刹那於野が歯を強く食いしばると目が真っ赤に充血し、腕に血管が浮き出た。さらに手のひらを斧のようにし、左之助の体を切りつけた。於野の斧は於野自身にもあったのだ。

 

倒れ込む左之助。その目の充血は何だったのかと於野に問う。「訳の分からぬまま死ぬのは忍びない」と、詳しく仕組みを教えてくれる於野。

人の体内には血が流れており全身を揺さぶっている。しかし身体は震えない。それは筋肉が身体の震えを相殺しているからである。この相殺し合う力を劍客兵器では赫力と呼び、これが自分の意思で操る事ができて初めて一人前の劍客兵器となる。

凍座は赫力を使っていなかったが、と問われると、それならば凍座は本気も全力も出していないという。ただでさえサイヤ人現象でこれから強くなる予定なのにそもそも実力を出していなかったとなったら凍座の強さは一体どうなってしまうのか。

 

ここまで於野が語ったところで左之助が於野に話しかける。さっきから何故聞いてもいないことをベラベラしゃべっているのかとーー。

於野に質問していたのは左之助ではなく、声色を真似た旭だった。確かに街に向かう面々の中に旭が見当たらなかったがここで出てくるとは。見つかった旭は後はよろしく、と逃げて行った。

 

切り裂かれた右手の手当てをし、決戦に挑む左之助に於野は部隊将に推薦するから劍客兵器に入らないかと勧誘する。今回の実検戦闘にあたり外から3人の猛者を迎え入れたという。これは後々登場するだろうがおそらく知っている人物も出てくるだろう。

なにより左之助は元赤報隊で明治政府を憎んでいる身、だから手を組める余地はあるはずとさらに食い下がる於野。赤報隊には仮入隊だったため名簿には左之助の名は記載されていないが、なんでも書いてある猛者人別帳には記載されているそうだ。

対する左之助は嫌いなのは明治政府や維新志士そのものではなく「自分を正義の座に置くために悪業暴挙を誤魔化したり捻じ曲げたりするそのやり口」であり、劍客兵器もその本質は同じであると切って捨てた。

そして最後の一撃ーー

二重の極みではなく旋拳で於野の左手のひらを破壊し、さらに二重の極みで左腕を折る。於野は右手を振り下ろそうとするがすかさず打撃を打ち込まれ、最後は頭突きをされて倒れた。

 

箱館戦争を回想する於野。五稜郭は大砲の砲弾が届かない位置を計算して建設されたが、五稜郭が完成し、実戦するまでの間に大砲の性能が大幅に上がり、砲弾が届くようになってしまった。世界の兵力の貪欲なまでの速さとこの国の絶望的な鈍重さを嘆く覇號・寒郷。「世界は残忍で非常だ」於野の心にこの言葉が焼き付いた。

 

「世界は残忍で非常だ このままではこの国が食い散らかされる」改めて左之助を劍客兵器に勧誘する於野。貧困層、先住民、植民地…世界が残忍で非常なのは実際にこの目で見てきたと語る左之助。残忍な世界相手に同じやり口では通用しない、やり方を変えるなら話し合いの余地を作る。そう言って左之助は右手を差し出した。

「しぇいくはんど」世界で通用する喧嘩の締め方だ。

 

感想

最後の「しぇいくはんど」の雰囲気でなんかいい感じになっているが、まだ観柳たちはピンチ真っ最中である。

観柳の再登場は今まで示唆されておらず、まったく予期していなかったので驚いたが、大変イイキャラに仕上がっていて作者も筆が乗っているように感じる。味方でも敵でもない微妙な塩梅が良い。最低限命は守るけど扱いは極めて雑、信用もしない。

 

なんでも書いてある猛者人別帳が便利過ぎて今後も出てくる度にツッコミたくなるだろう。

○號がそろそろ覚えられなくなってきているが、キャラと技と名前が連携してくるようになってきたので助かった。斧號於野さんの斧。

 

今後気になるポイント

・「"雅桐倫倶"なんざフザけた偽名使いやがって」と言われた時の観柳のリアクション

・「誰であろうと守る」に対する観柳のなんかすごい顔

・観柳の雅桐紋、雅桐倫倶の名への執着の強さ

・凍座の本当の強さ

・劍客兵器に外から迎え入れた3人の猛者の正体

 

観柳が何を考えているのかイマイチ掴みきれない。るろ剣に無駄な描写は無い思うので観柳の気になるリアクションにも全て意味があるはずだ。

 

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