2020年5月29日。東京の空をブルーインパルスが駆けた。
ブルーインパルスは、新型コロナウィルス感染症に対応中の医療従事者をはじめ、多くの皆様へ敬意と感謝を届けます!飛行の細部は、明日お知らせします!#航空自衛隊 #ブルーインパルス #松島基地 #家からエール #敬意 #感謝 #医療従事者にエールを pic.twitter.com/3EBUDD3mwa
— 防衛省 航空自衛隊 (@JASDF_PAO) May 28, 2020
#ブルーインパルス は、本日 12:40 頃 〜 13:00 頃の間で、新型コロナウイルス感染症に対応中の医療従事者の方々をはじめ、多くの皆様へ敬意と感謝をお届けするため、東京都区部を中心に編隊による航過飛行を行う予定です!#航空自衛隊 #松島基地 #家からエール #敬意 #医療従事者にエール pic.twitter.com/kEQagnkgxe
— 防衛省 航空自衛隊 (@JASDF_PAO) May 29, 2020
前日に突如発表されたブルーインパルスの飛行。その是非についてとやかく言う人もいるが、オリンピックの延期や航空祭などのイベントの中止が相次ぐ中で燃料にも使用期限があるため、それも今回の飛行が実施された理由の1つだと言われている。駄目にしてしまうくらいならたくさんの人を喜ばせた方が良い。
そもそもこの飛行が実施されなかったからといって代わりに文句を言っている人が満足するだけのお金が配布されることなどあり得ないのだが…。もう少し冷静になってほしい。
家の周辺は飛行経路からは少し外れているが、位置関係的に多少は見えそうだったので、外に出て空が開けている場所を探した。ちょうど昼休み時で、たくさんの人がその瞬間を待ち構えていた。自分の勤めている会社の前で同僚たちと話しながら待つ会社員、待ち合わせをしている友達がなかなか来なくてやきもきしている小学生、事情を知らず、皆が空を見てカメラを構えているのを疑問に思い、周囲に尋ねて慌ててカメラを起動する人…いろいろな人がいたが、気持ちはひとつだった。
飛行開始時間が来ると、さらに緊張感が増す。あっという間に通り過ぎてしまうので、目を離すことができない。カメラを空に向け、じっと見つめる。
そして、その影が見えた瞬間、歓声が上がった。夢中でシャッターを切ったり、動画を撮ったりしながら、見えなくなるまでその機影と飛行機雲を追ってその目に、心に焼き付けた。
1つのものをたくさんの人がリアルタイムで、生で見て気持ちを共有する、という面で、スポーツの試合やライブ、花火大会などに近い感覚を覚えた。しかし、それらとは段違いの規模だ。たくさんの見知らぬ他人同士が1つのものに夢中になったあの瞬間、あの一体感に言葉にできない感動があった。
思えばコロナ禍が始まってからというもの、現実社会もネット社会も殺伐としていく一方だった。自粛生活の鬱屈とした日々の中で煮詰まりきっていた一方、緊急事態宣言が解除されたからといってウイルスが消滅したわけではない。そんな中で日常生活に戻らなくてはならないストレス。そんな気持ちを、空を駆けるブルーインパルスが吹き飛ばしてくれたような気がする。(あと単純に空を見上げることは精神的にも身体的にも良い効果がある。)
ブルーインパルスは医療従事者たちへの感謝の思いを込めて飛んだが、私はそんなブルーインパルスに感謝を示したい。
(ちなみにやっぱり距離があったのでそんなに良い写真は撮れなかったというオチ)