この日は滞在1週間の中で唯一の晴れ予報の日だった。他の日は大体曇りか雨の散々な予報だった。そして回復食が始まる日でもある。ついに食べる事ができるようになるので、多少はアクティブに動いても大丈夫なハズだ。さらに、この日は施術の時間が早く、オプションも入れていないのでまとまった空き時間が取れる。ということで、この日を観光地めぐりの日とした。一連の断食記事の中で1番ボリュームがあるのがこの記事である。
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5:00に自然に目が覚める。調子は悪くない。どんどん起きる時間が早くなっているが、仕事が夜遅くまでかかることもあるので今後の生活をどうしていけば良いか少し悩む。
感動の日の出
この日は1日晴れの予報だったので、施設のすぐ近くの日の出スポットで日の出を見ることにした。
日の出スポットにて待機。
さすがに日が昇る前はダウンを着ていてもとても寒い。
私の携帯にパノラマ撮影機能が無かった事が悔やまれる。
下の方の雲が厚く、肝心の昇る瞬間を観る事はできなかったが、日の出前の静寂、太陽が昇るという自然現象の神聖さ、日が昇ることで一変する世界の様相…全てに無性に感動した。
6:30からは朝のヨガ。就寝前のヨガとは違い少しハードである。
太陽礼拝の動きの途中で一瞬視界が暗くなって焦った。
7:30から気功体操だったが、7:20にテラスに行った時にはもう始まっていた。
10分前行動でも間に合わないとは…油断も隙もない。
日替わり酵素ドリンクは梅。
とても美味しい!!!毎日飲みたい。
なんというか清涼飲料水的な美味しさだった。
3日ぶりの食事
そして…ついに3日ぶりの食事が目の前に…
回復大根。
たくさんの薄切り大根を昆布だしで煮た物を、味噌、自家製醤油麹、たたき梅を付けて食べ、汁にも好みで調味料を溶かして飲む。
固形物を食べられる事や、出汁や大根の旨味に感動する人も多いが、私は思ったより冷静だった。大根を煮たものを食べているなあ、くらいの気持ちである。
ここでものすごいご馳走がいきなり出てきたらテンションも上がるのだが、大根なので大根なりにしかテンションも上がらない。そういう意味でもやはり自宅断食で回復食を粛々と進めるのは難しいと感じた。誰だってテンションを上げたい。
付け合せの味噌がとても美味しかった。3種類の味噌を合わせているようだ。
自家製醤油麹は醤油の刺すような塩味と風味を感じた。
人参シャーベットは人参とリンゴとレモン汁で出来ているが、なぜかバナナを感じてしまう。味覚がバグっているのだろうか。
正直、大根は途中で飽きてしまったのだが、ひとまず回復食の第一歩は終了した。
途中で飽きるなんて食への感謝が足りないのかもしれないが、大根なりには満足だ。
この日の通常施術はアロママッサージだった。事前に3種類から好みのオイルを選んでおき、それを使って施術をしてもらう。
しかし、アロママッサージで使うベッドは鍼灸にも使用するため、アロマの香りよりもお灸の残り香を感じながらの施術となってしまった。
いざ外の世界へ
大室山
しかし、体はスッキリしたので満を持して大室山へ向かう。
大室山のリフト乗り場にはバスで向かうが、1時間に1本程度しかないので要注意だ。
リフト乗り場。平日の午前中ということもあってか空いていた。
往復で700円。支払いは現金、paypay、GoToクーポンのみ。
登山禁止の山なので片道料金はない。
どんなものかと思っていたが、乗ってみると最高に楽しい。
結構揺れて風も強かったので最初は怖かったが、飛び降りても怪我のしようがないような高さだったので恐怖心も消えた。
1面のススキ越しに伊豆高原を見渡しながら山頂へと上っていく。
途中、強制的に写真を撮られるスポットがある。
スピーカーが付いており、山頂の係員が声をかけていい感じの写真を撮ってこようとする。1人客にとっては罰ゲームのようなものだ。
カメラをやり過ごして山頂へたどり着いた。写真は山頂から見た稜線である。
写真を撮っていなかったが、売店があってお土産や食べ物を売っている。
「みつふく団子」という名物があった。
しかしこちらは回復食1日目の身。まだ大根しか食べていない。
団子なんて夢のまた夢である。
今「みつふく団子」で調べたら高尾山の名物らしいが果たして…?
そのうち高尾山で団子にリベンジしようと思う。
(取材・報道にとても積極的な団子)
山頂にトイレもあるが、とてもきれいなトイレだった。
大室山は火山なので噴火口がある。
噴火口は何故かアーチェリー場として利用されている。ほんとうに何故?
天然記念物なのに良いのだろうか…
1周1kmほどのお鉢巡り。時計回りに歩く。
(逆行しようとする人がいたが迷惑なので辞めたほうが良い)
道は舗装されていて歩きやすいが、周囲に遮るものが無いため風がとても強く、そして冷たい。耳、首、手と、服で隠れていない部分が容赦なく冷えていく。
さらにこのお鉢巡り、結構坂が急でアップダウンもある。大根しか食べていない身には結構辛い1周だった。
しかし、景色は素晴らしかった。もっと晴れていれば富士山も見えたはずだが結構霞んでいたので見えなかった。
山頂駅に向かう最後の登りも結構辛かった。
リフトの下りはひたすらゴルフ場を眺めることになる。風情とは。
リフト乗り場にあるカフェの看板が気になる。
ツッコミどころは色々あるのだが、「Apple pai」がお気に入りだ。
シャボテン公園
続いて伊豆シャボテン動物公園へ。
もともと行く予定は無かったのだが、
大室山リフト乗り場の真向かいだったので行くことにした。
シャボテン公園入口。(入口ではない)
思ったよりこじんまりしているな、と思ったらこれは徒歩客用の入口(厳密には入口ではなくただの通り道)でメインエントランスは反対側の駐車場の方にあるようだ。
この建物を通り抜けて入口へと向かおうとしたら、
写真では分かりにくいが結構な急坂が立ちはだかった。
写真だとまったく伝わらないが、結構な急勾配で、大室山のお鉢巡りでフラフラになっていた身には入口までの道のりがとても辛かった。
というか坂を見た時に入園を諦めようとした。
せっかく来たのだからと自分を奮い立たせ、必死に坂を登った。
真の入口。
大室山のリフトの半券を提示すると入園料が10%割引になる。逆にシャボテン公園のチケットを大室山で提示するとそちらも10%割引になる。
ただし、ネット上にも同額の割引クーポンが存在する。
入園券の支払いは現金、paypay、GoToクーポンのみ。
伊豆高原は現金の次にpaypayが普及している。これくらいの規模の施設ならせめてクレジットカードには対応して欲しいが…
現金の手持ちが残り少なくなり、心許なくなってきた。
正直そんなにたいしたことないだろうと侮っていたが、 ちょっとしたディズニーランドのようだった。ジャングルクルーズの世界観が広大な敷地一面に広がっている。
むしろ、ジャングルクルーズの世界観どころか園内の川を船でめぐって動物たちを見る本物のジャングルクルーズがある。
参加したかったがさすがに1人で乗る勇気は出なかった…
動物を撮るのが難しすぎてまともな写真が全然無かった。
園内では放し飼いされている動物に遭遇することもある。
動物の展示とセットで必ずエサが販売されている。
エサの空カップの様子を見るに結構売れているようだ。
もちろん動物によって違うエサが販売されているので、それを見るのも面白い。
1番インパクトがあったのはカワウソのエサだ。
水槽の中にみっちり泳いでいるフナ、どじょうを3匹捕まえてカワウソにあげる。
ちょっとエサやり風景を見てみたかったが自分でやるのは色々とハードルが高かったので諦めた。
細かい課金要素はこんなところにもあった。
8月に亡くなった世界最高齢のハシビロコウの献花台。
世界でも類を見ないほどの長寿で、「ビルじいさん」と呼ばれて親しまれていたようだが、実はメスだったそうだ。
置物だと思ったらor何もいないと思ったらふくろうだった、とう事が連発したふくろうゾーン。おとなしく、ほとんど動かないので撮影しやすかった。
私は旅行に行くとご当地モノを片っ端から食べるので断食中じゃなければ確実に食べていたであろうメニュー…未練が残る。
断食中は食べないのが当たり前になっていたので、目の前に食べ物を出されてもおそらく食べないだろう、という気持ちになっていたのに、今朝から固形物の摂取を再開したためか、胃が動き出していて食べ物を欲している。
(こんなところの写真を撮っているのは私くらいだろう)
この写真のチャーハンにあまりにも惹かれた。人生で1番チャーハンが食べたくなった瞬間だった。(ちなみに2番目は特に思い浮かばないくらい普段のチャーハンへの興味は薄い)
シャボテン公園といえばサボテンだと思っていたが、動物の割合の方が大きい。
忘れた頃にサボテンの展示スペースが現れる。5つの館に分かれているが、自分が持つサボテンのイメージに1版近いのはメキシコ館だった。
イルカ。地面を這うように生長し、後ろの部分から枯れていくため移動しているように見え、現地でも気味悪がられているらしい。
リトープス。サボテンらしくない形とカラフルさがかわいいと思ったがこれだけ寄植えしたら一体いくらになるのだろうか…
白星。トゲがふわふわしていて触っても痛くないサボテン。
サボテンを堪能して最後に待ち構えるのはサボテン狩りだ。
なんのこっちゃと思いきや、好きなサボテンを選んで自分で箸を使って採取し、寄植えを作ってもらうシステムだ。
ふーん、と思いつつ通り過ぎようとしたのだが…
あまりにも多種多様なサボテンが並んでおり、見ているだけでも楽しい。
通り過ぎていく人たちが一様に足を止め、楽しそうにサボテン狩りをしている。ついつい私も採取用のカゴと箸を手にしてしまったのだった…
種類も値段もかなり幅が広い。いいな、と思うものは数千円する物が多かった。
手持ちの現金が少ないので気持ちを落ち着かせ、寄植えをするのに現実的な値段の中から気に入った品種を選ぶ。
結構品種が偏ってしまったのでサボテンらしい物も加える。微妙なチョイスをしてしまったとしてもプロの手にかかれば立派な寄植えになる。鉢込で¥5,000弱だった。
(巻いてある紙は持ち運び時の保護のための物)
しっかり梱包してもらえるので持ち帰りも安心だ。
ちなみにこちらも仕払いは現金かGoToクーポン(paypayも使えたかも?)だ。クレジットカードが使えたらもっとすごい寄植えを作っていたかもしれない。
(この後にあるお土産屋ではカードが使えるのが腑に落ちない)
シャボテン公園の端に富士山が見える展望台があった。ギリギリ写真に写った。
やはり日本人は富士山を見ると無性にテンションが上がってしまう。
大室山のついでになんとなく行ったシャボテン公園。思わず満喫してしまった。誰かと伊豆高原に旅行に来る機会があればアニマルボートツアーにリベンジしたい。
バスに乗って1度やすらぎの里を通り過ぎ、コンビニに寄ってお金を下ろしてから徒歩で戻る。なんだかとても長い長い旅をしていたような気分になり、やすらぎの里で過ごしていたことを忘れるような感覚に陥っていた。
しかし、、戻ったら戻ったですぐに元の生活に戻る。
やすらぎの里へ帰還
17:00からは手作り化粧品教室だった。
もともとやすらぎの里では大浴場に手作り化粧品が置いてあり、自由に使えたそうだが、コロナの影響でそれもできなくなってしまったので企画されたそうだ。
自分好みの効果や香りのある原料を選び、自分だけの化粧水とクリームを作る。原料の中にはやすらぎの里で採れた物を使用した物もある。男性の参加者も真剣に楽しそうに作っていた。
出来上がった化粧水は欲張りに色々な原料を入れたので不思議な香りがするが、浸透力としっとり感が市販の化粧水でもなかなか無いレベルの物になった。
かゆ うま
続いて待ちに待った夕食。
朝の大根と比べると、少し食事らしさがある。
しかし、まだまだ味噌汁は薄く、味噌の風味がほとんどしない。
おかゆには様々な穀物が入っており、食感が楽しい。さらに、食卓にあるごま塩がいい仕事をした。前々日の食の瞑想で玄米に塩をかけることで玄米の甘みが引き立ったが、それをより実践的に感じる事ができた。
夕食後、この日から安眠ヨガのプログラムが無いためフリーの時間となった。一連の断食のブログ記事を書き始めたが、この旅で初めてゆっくり出来た気がした。
1日の体験の刺激が強かったのか、食事が再開されたからなのか何故か元気が有り余っていて全然眠気を感じない。翌朝も早いので22:30くらいに無理矢理寝た。
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